こんなに静かな街だったかなぁ
久しぶりだな 我が故郷よ
見渡す景色も優しい風も皆
あの日と同じだ そうただ俺だけおいて

やっと見つけた たった一つの夢を
大事に抱えて この街を出た
明日はちっとも見えなかったけど
格好悪い奴にはなりたくなかった

いつもこの胸に描いた姿が
俺をいつだって前へ前へと動かして来たんだ

 お前の桜は咲いているかい その心強く咲いているかい
 俺の桜はあの頃のままで 小さな花すら咲かせられない
 何度も涙は流したけれど 何度も季節は巡ったけれど
 夢へと続くその道の途中 小さなつぼみを抱き締めたまま

東京の生活はとても慌しくて
頑張る理由さえ 分からなくなって
俺もいつしか 大人になったんだ
そしていつしか弱虫になったんだ

そんな生温い人生をやっと本気で
悔やんだ 友よ お前と再び会った夜

 次々と俺は弱音を吐いた 「死にたい」なんて図に乗って言った
 不意にお前はその目をそらした 大粒の涙が零れ落ちた
 どうして俺より泣いているんだ 俺は自分が恥かしくなった
 ボロボロボロボロと泣くお前は 確かに俺より優しかった

明日の朝 東京に戻ろう
この夢の果てに 桜の花を咲かそう